釣行日 | 場所 | ||
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2005年9月30日 | 千代川 | ||
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寸田さんの鴨の羽根 |
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手元に寸田さんから頂いた鴨の羽根が残っている。柔らかくて細やかな白黒の斑が入ったおもしろい羽根である。ただ毛足が長いので、毛鉤を巻くとき、取り回しにちょっと困る。 五つ、六つ、新たに毛鉤を巻いてみた。 最終日、千代川で毛鉤を振る。今日はこの鴨の羽根で一匹釣れればよい。 九月の渓流、田圃の畦には彼岸花、どこか優しげな薄の穂と赤く色づき始めた柿の木。特別、田舎育ちでもないのに、そんな故郷の原風景、日本的な情緒からは逃れようがない。 夏前に稚魚放流されたサヤエンドウもひと回り大きく成長していた。そんな唐揚げサイズが、ポツリ・・・ポツリ・・・と掛った。 私が最初に九頭竜の小屋にお世話になったとき、七輪をいこして、小屋の外で寸田さんと一緒に雀と田鴫(タシギ)を焼いた。香ばしく焼きあがった田鴫は、濃い、濃い野鳥の味がした。 短いお付き合いだった私が言うのも僭越ではあるが、今思うと、あの野鳥の味こそが寸田さんの持ち味だったのかも知れない。 そんなことを思い出しながら、今年のテンカラを納竿とした。寸田さんの鴨の羽根はもう貰えない。 |
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取材:京都北山テンカラ会 田中 佳憲 |
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