釣行日 場所

2005年3月15日 釜無川水系 小森川

山梨県遠征 魚影の濃い小渓

  1 中央道須玉インターを降りてすぐのところを「釜無川」は流れています。6月下旬現在は鮎釣りが始まっていますが八ヶ岳などを水源とするいくつかの河川の影響で水温は比較的低いようです。そのためか鮎の放流後は川を下ってしまいがちのようです。そしてこの地域の漁協は3センチ程度の稚魚放流にこだわり運営していると巡回の組合員さんからお聞きしました。そうとなれば未知の釣り場をめざして地図とにらめっこです。
釜無川水系の塩川支流「小森川」は2km程度の流れです。源頭に曲岳(1642m)を持つ小渓流です。5月下旬から6月中旬にかけての滞在中に計五回、平日の日中と日曜の朝夕とそれぞれ違った条件で入川する機会に恵まれました。長野県から山梨県に入り入り口にあたるため関西からでも比較的が出かけやすい山梨県の釣り場かと思います。前評判では魚影が濃いとのことでした。
私が目にしたところ、週末となれば関東首都圏のナンバーが山梨のナンバーと半々で釣客が本流の塩川では各ポイントに2・3人は入っている状態でした。支流の小森川にも先行者なしにストレートに釣り上がるのは無理でした。それでもポイントごとに1歩踏み出すとサッと走るほどの魚影が特徴の川は一言で表現すると「すこぶる魚影の濃い小渓流」ということになるでしょうか。だだしそれだけに今回は「釣り人も多い、放流量も多い、けれど魚はスレている」を体現する面白い釣行になりました。
当時の川状況は5月下旬から10p以上減水の渇水状態で、魚と目が合ってUターン、パッと散って底石に隠れてそれっきり動かない群れなどが見えるほどですが水温は安定していました。
こちらの姿を隠して、毛ばりの軌跡が三角形の1辺を通る角度で振り込み、ナチュラルに流しただけでは釣果はあがらず、たまに17cm、18cmが偶然釣れるだけです。またそれ以上に毛ばりに「パシャ」とじゃれる回数も多いようでした。
それでも釣人の手からのがれ生き残った良型はどこかにいると仮説を立て色々トライしてみました。
効果的だったのは、一つはやはりここでも小針(今回17♯を使用)は効くようです。
次に振込みは三角形の一辺を意識的にこわしてして毛ばりをリリース、上からの振込みと横からクウォーター気味とどちらもふんわり置きに行く感じを意識しました。実践ではこの上から、横からをアレンジして枝木をかわし振り込むことでピンポイントを狙えるぎりぎり距離までつめれることが出来ました。すると今まで毛ばりに「知らん振り」や「じゃれて」いた魚も静かに出るようになりました。
それに加えて捨て針効果でじらし流れの肩や開きで我慢できずに魚が出ると予測どおりにいけば納得でした。
やはり自然が相手の渓流釣りです。あれこれ言っても、技的要素よりも時間帯、天候は釣りを大きく左右しました。先行者があっても、時差などを設けて照度、雨などの条件とそれが重なれば普段で見られない良型が姿をむき出しで毛ばりに反応する場面がありました。やはりしとしと雨です。週末の当日は夕刻から降り始め段々暗くなってきて午後7時ごろから俄然よくなりピークをすぎた頃は仕掛けをしまうのがぎりぎりの暗さの時間帯でした。
釣り人も多く小さな細い支流ですが、だからこそ3、4年逃げのびた良型も多く潜んでいる魅力的な小渓流でした。今回なぜかアマゴ・山女がほとんどでしたが真夏に水量をみて源流部に岩魚狙いでもう一度入ってみたい川でした。

<データ>
・5月下旬、6月上旬
・ 気温25度前後 水温17度平均
・ 冨士流テンカラ「ナチュラルアート」3.3m 6:4調子
・ 必釣ライン 5号 3.3m or 3.1m
・ ハリス DAN 翠渓 0.8号 矢引き
・ 毛ばり 17番逆さ毛ばり

問い合わせ
狭北漁業協同組合
0551−27−2580

写真1
1、 小森川最下流部です。ぜんぜん水がありませんが小中型の魚は良く見えます。
2、 この細い流れの下につり人から逃れた良型がたくさん潜んでいます。
3、 「さっと」小物がコンクリートのエグレに消えた後、白泡下から落ち込み手前まで引き出し良型を掛けました。
4、 水が少なく石は苔でこの色、それでも日曜日の日昼に小針の誘いにじらされて出ました。
5、 小雨のなか8番岩魚用の黒色毛ばりに出たアマゴ、顔が大きく目の周りが黒い個体が多く特徴です。
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取材:京都北山テンカラ会  清川 桂史

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