冨士流テンカラ講座(竿を選ぶ基準)

道具について 竿を選ぶ基準 ラインの振り込みについて

毛ばりを巻く

竿を選択する

竿を選択するにあたり、あなたはどのような渓相を好むかを思い起こしてみてください。源流部・渓流部それとも清流部、おおざっぱな選択をするなら、後方振りが容易に利くような川相(渓相)を好むなら、「軟調子」の竿を選ぶことをお勧めしますし、振り込みの障害となるものが多い所では、状況に応じて竿を「硬調子」へと移行させるのが良いと思います。いくら好きな渓相とは言え、竿の基本テクニックを習得していないのに、難しい渓に踏み込んでも、また、間違った調子の竿を持ち込んでも、おいそれと旨く行くものではありません。そこで、特に初心者には中間的な働きをしてくれる調子として、どちらの渓相でも使用できる6:4調子の竿をお勧めするようにしています。この調子の竿なら、規模の小さな渓から中・大規模河川まで使用できますし、それで物足りなくなったところで自分の趣向に合わせた好みの調子の竿を選ぶようにするのが良いでしょう。

 いずれにしても、よき指導者に師事することで、あなたのスタイルは決まってくるものだと思いますから、つまり良き指導者・的確な指導書を選択するほうが先ずは解決の第一歩につながる物だと言う事です …。

竿の素材

竿全般に言えることですが、カーボン繊維をいろいろな形で組み合わせ、調子を出しながら筒状のパーツを作り、一本の竿へと仕上げていくものです。昔の竿は、竹・グラス繊維などで作っていましたが、天然素材は入手困難・高価とか手入れが大変であるという理由で敬遠され、贅沢品の部類に入るようになりました。私も竹竿を2本持っていますが、あまり使うことはなくタンスの肥やしになっているのが現状です。
手入れが簡単であり、価格的に負担にならず、しかも製造工程上調子が出しやすく品質も一定しているカーボンロッドをお勧めします。しかし、衝撃に脆いという弱点もありますので、普段の取り扱いには注意が必要かと思います。

竿の調子

冒頭でも少し触れているように、竿の調子は大きく三つに分ける事だできます。そして使用する竿の特性によっては釣果に大きな差が生じてくるのも事実です。勿論、使用するライン・毛バリ・ハリスの長さ等、竿とのマッチングが必要であることは申すまでもありません…。このように大切なものですから、慎重に選択したいものだと思います。

1) 硬調子(7:3調子)
渓流部、それも源流域に近くなると、後方のみならず前方にも障害物が点在するような渓相に直面することがしばしばあります、特に後方の障害物(木・岩など)を避けなければなら時には、早めにラインを切り替えすという操作が要求されます。このような振込みを満たしてくれるものとなれば、硬調子にならざるを得ません。ただ、竿が硬いと言うことで、誘いを掛けるのには適さず、もっぱらナチュラル(自然)に流すように心がけなければなりません。したがって、毛バリの落とし所を計算して振り込まなければならず、ポイントの見極めがそれなりに難しくなってくるわけです(ポイントの選定にて詳しく記述)。

2) 中調子(6:4調子)
「調子の良い竿を手に入れたい」と問われたら、迷うことなくこの調子を薦めることにし、その中でもとくに初心者にたいしては他の調子は不向きだと言います。詰まるところ、テンカラ釣りをやっている限り、付かず離れずついて回る最良の調子の竿であります。 前項で触れていますが、「竿の切り替えし」も中くらい、柔らかさを持たせた毛バリの振り込みもできて、用途は広く初心者から上級者まで幅広く使えるものとしてお薦めの一品です。

  3) 軟調子(5:5調子)
 大川で「誘い釣り」に興味を持つ人には適した調子です。川底などの石に付いている川虫の幼虫が、棲家を離れ産卵活動のため水面上へもがき上がる様を毛バリで表現するわけですから、その行動を真似るためにも基本的に柔らかめの竿が適していると言うことです。しかし、いくら柔らかい竿でも、その特性を性能通りに引き出し使っている釣り人が何人いるでしょう?。ほとんどの人は調子以上に硬く使っているように思います。つまり、「竿」本来の持つ特性(キックポイント)を十分理解していないということです。しかし、硬い竿でも腕・手首・握り方等に工夫を凝らし、柔らかく表現している人もあります。また、柔らかい竿だからと言って誰が使っても柔らかく使用できるとは限らないことをも知っておくべきです。

 

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